コンサドーレ札幌FW菅大輝(21)が、公式戦開幕からエンジン全開でシーズンを駆け抜ける。

熊本キャンプ3日目の14日、チームは今季公式戦初戦の16日ルヴァン杯サガン鳥栖戦に向けて、午前に約1時間の調整を行った。菅は昨季初選出された日本代表で得点を挙げたが、今年1月のU-23アジア選手権では出場を果たせなかった。代表入りを目指す東京オリンピック(五輪)へのアピールのためにも、貪欲に得点に絡んでいく。

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菅の晴れ晴れとした表情が充実感を物語った。全体練習終了後には若手が集まってのパス回し。日に焼けた顔には笑みが浮かび、リラックスした雰囲気のなかでボールを蹴った。代表活動のため1月のタイキャンプは途中合流となったが、沖縄、熊本でのキャンプを経て「徐々に良い状態に持っていけていると思う」と順調ぶりを口にした。

キャンプでの練習試合は体調不良で離脱した1試合を除き、5戦で定位置の左サイドで出場した。得点こそ挙げていないが、鋭いクロスを前線に送ってきた。「クロスの質が課題。練習試合を通して1本でも多く上げようとしてきた。後はゲームで良い方向にいければ」。キャリア5年目の21歳。ユース出身の道産子は自らの武器である攻撃力を磨き続ける。

アピールは結果しかない。東京五輪イヤーの今年1月にはU-23アジア選手権(タイ)の代表に選出されるも出場機会はなかった。昨年12月の東アジアE-1選手権(韓国)香港戦で初出場初先発初得点と完璧なA代表デビューを飾ったが、五輪の日本代表入りは当落線上にある。「しっかり数字という結果を残せなかったらそこには残れない。5ゴール10アシストが目標」。昨季公式戦では1ゴール2アシスト。シーズンで目に見える結果を残すことが、代表入りの近道になる。

今季公式戦開幕となる16日ルヴァン杯鳥栖戦でも先発が濃厚だ。カップ戦初戦の出場は自身2季ぶりで「1戦目からしっかり勝って良い流れに持っていきたい。(公式戦で)しっかり結果を残したい」。夢見る東京五輪のピッチに立つためにも、シーズン開幕から待ったなしでアピールしていく。【浅水友輝】

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◆菅と公式戦開幕戦 ルーキーイヤーの16年と17年はベンチ外。18年は2月24日のJ1リーグ広島戦で、MFで開幕初スタメンし後半14分までプレー。昨年は2月23日の同湘南戦で、2年連続先発し初の開幕戦フル出場を果たした。なお16年は4月5日J2リーグ第5節町田戦、17年は3月15日ルヴァン杯磐田戦がシーズン初出場だった。