元コンサドーレ札幌MFで昨季限りで現役を引退した札幌市出身の古田寛幸氏(28)が4日、ネットを通じ自身がマンツーマン指導するオンライン・サッカースクール「HERO’S FOOTBALL ACADEMY」を開講する。札幌時代は中心選手として12年のJ1昇格に貢献。高校時代からプロのピッチに立ち、J1からJ3まで全カテゴリーでプレーしてきた経験を、セカンドキャリアで還元していく。

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古田氏がプロで11年学んだ技術と心構えを、オンラインで子どもたちに伝えていく。「どこにいても学べて、子どもにしっかり向き合って指導しようと考え、この形になった。サッカーを教えるだけでなく、競技をする上での悩みや考え方なども、話していけたら」と方向性を口にした。

自身がネットを通じ、対話しながら受講者の要望に応じアドバイスを送り、指導する。レッスンは週1回30分で、1期生の定員15人で募集する。「すべて1人でやっているので、まずそのぐらいの人数から。自分だけのコーチと思ってもらえるように。ネット方式なので網走や稚内、ゆくゆくは全国の子どもたちに教えられたら」。現在は新型コロナウイルス感染拡大で人が集まるイベントなどが軒並み自粛も、オンラインでの指導なら実施は可能だ。

札幌では高校3年でJリーグデビューを飾り、切れ味鋭いドリブルを武器に中心選手として活躍。12年のJ1昇格にも貢献し、実現できなかったものの一時は欧州移籍も考えた。その後、札幌を離れ金沢、秋田でプレーし、J1からJ3まで全カテゴリーで得点を挙げた。「本当は札幌からステップアップして、恩返しがしたかった。でもそれが果たせなかった。違う形で、これまでの経験を還元したい」。1月に秋田から札幌に引っ越し、市内の実家に事務所を構え、ホームページも自分で作成した。

秋田でプレーした昨季の現役最終年は、J3のベンチを温めることもあった。「試合に出られないときに、いかに前向きに取り組めるか。うまくいっていないときの心のケアの方法なども、指南できたら」。栄光だけでなく挫折を知っているからこそ知る独自の“パス”を用いて、サッカーを通じた「心の授業」を発信していく。【永野高輔】

◆古田寛幸(ふるた・ひろゆき)1991年(平3)5月23日、札幌市生まれ。札幌東川下スポーツ少年団から札幌U-15、U-18を経て高校3年の09年にトップ登録。同年8月2日のJ2C大阪戦に18歳2カ月10日で出場し、当時のクラブ最年少Jデビュー記録更新。11年12月3日のJ2最終東京戦でFW内村の先制点をアシストしJ1昇格に貢献した。16年から金沢、17年から秋田でプレーし昨季限りで引退。Jリーグ通算239試合19得点。U-15から19まで世代別日本代表。170センチ、64キロ。家族は夫人と2男。利き足は左。

◆HERO‘S FOOTBALL ACADEMY 小学生から高校生までを対象。週1回30分、古田氏本人と受講者がネットで会話しながら指導を行う。本格的にプロを目指したい選手向けの「プロフェッショナルコース」では、受講者への対面指導や専門トレーナーによる体のメンテナンスについての指南も行う。1回だけの無料体験もある。コース、レッスン内容など詳細は、別掲QRコードまたはアドレスhttps://soccer.on-line.website/school/からホームページへ。