東京(オリンピック)五輪世代の柏レイソルMF神谷優太(22)が、先行き不透明な情勢の中「向上心」を自らに言い聞かせた。

新型コロナウイルスの世界的流行でJリーグの公式戦は延期になり、東京五輪の開催も暗雲が垂れこめている。それでも神谷は「自分の目標は東京五輪ではない。その先であるA代表」と大きな目標を口にした。

青森山田高時代、全国高校選手権ベスト4に貢献するなど鳴り物入りで16年に当時J1の湘南ベルマーレに加入。1年目は14試合に出場したが、2年目はJ2で7試合の出場にとどまり「プロの壁」を経験した。18年からJ2愛媛へ武者修行。献身的に戦う姿勢と「自分が点を取ってチームを勝たせなければ」との責任感が芽生え、昨季は36試合に出場し6得点。今季から再びJ1の舞台に戻り、開幕戦では負傷退場したMF瀬川に代わり60分間プレーした。チームメートからも「同じ絵を描きやすい」との声も挙がり、飛躍する舞台は整いつつある。

個人としても順調な滑り出しの中での公式戦延期。東京五輪も不透明だが「間違いなく僕の目標はそこではない。自分の目標に近づくための向上心が一番大事。五輪に出ないでA代表に入った選手もいる。自分も頑張りたい」と前を向いた。

以前は攻撃で目立つ場面が多かったが、柏に加入し、守備にも果敢に挑む。チーム内でMF瀬川の迫力あるプレスに刺激を受け「高い位置でボールを奪えればチャンスになる」と守備面の向上にも積極的に励んでいる。趣味はデニム収集。古着のデニム店にも出向くほどで「サッカー選手」に加え「ベストジーニスト賞」の称号を手にするのもひそかな夢だという。「服を買うために頑張らないとというモチベーションもあります」。プライベートの“ご褒美”も向上心の源。4月に23歳となる神谷が、再びJ1で輝く日も近い。