北海道コンサドーレ札幌が3日、札幌・宮の沢で9日ぶりに練習した。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため自粛していた宮の沢での全体練習の一般公開を今季初めて行った。入場前に全員に検温とアルコール消毒を実施、見学中も座席の間隔を空けて密集を作らないようアナウンスするなど、クラブ側は細心の予防対策を講じた。選手たちは集まった102人のサポーターに久しぶりに汗を流す姿を見せた。

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札幌にとって見慣れた練習風景が帰ってきた。一般への見学を熊本キャンプ以来、再開した。スタンドには102人のサポーターが集まった。長期キャンプを終えてホームグラウンドでの練習を再開した3月15日から、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために公開を自粛していた。敷地内の立ち入りを禁止し「無観客」の状態が続いていた。選手がスタンド前をランニングで通過すると、サポーターからは拍手が起こり、選手もそれに手を振って応えた。主将のMF宮沢裕樹(30)は「やっぱり応援されてるなって実感を持てる」と喜び、ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は「我々もサポーターとともに練習できることをうれしく思う」と話した。

クラブはできる限りの対策を講じた。入場前に検温とアルコール消毒を実施。37度5分未満の場合に手首に巻かれるリストバンドを入り口でチェック。一般客と報道陣、全入場者に徹底した。ピッチに近い最前列の座席を使用禁止にし、着席できるのは2列目からとした。選手らと見学者との距離を近づけないよう努めた。練習中にはクラブ関係者が見学者へ間隔を空けて座るようにアナウンスを行った。

J1で唯一の見学再開。Jリーグでは神戸、C大阪などから感染者が出ており、クラブとしては今後も細心の注意を払う。いつもは選手が握手やサイン、写真撮影のファンサービスに応じているが、その自粛は続ける。宮沢は「自分たちも本当は対応したいけど、いい距離感をとりながら、みんなにいい練習を見せていきたい。世の中まだまだ危ない状況なので、感染リスクをお互い減らしていきたい」と気持ちを引き締める。

この日、5月9日に予定されていたリーグ再開の延期が決まった。現状日程は白紙状態。指揮官は「日々トレーニングを続けていくことが我々ができること」と、公式戦再開を信じて気持ちを切らさない。先行きは不透明だが、前を向いて練習を重ねていく。【保坂果那】