新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断に入り、まもなく2カ月がたつ。

入場料収入という大きな柱を失い、厳しい財務状況と向き合いながらも、各クラブは「今できること」を模索し、実行に移している。サガン鳥栖の「歴代ユニホームでマスク製作」、湘南ベルマーレの「オンラインスカウト活動」など、SNSの普及もあり、各クラブがオリジナリティーある施策に取り組む。試合どころか、練習もできない逆境の中、サポーターのため、地域のため、医療従事者のため、今もJクラブは必死に活動している。

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湘南は試合時のホームスタジアムに出店する飲食店の救済策として「さきめし」と題した飲食費先払いシステムを今月10日から導入した。外出自粛で「ベルマーレフードパーク」として出店する各飲食店が経営的打撃を受けた。そのためクラブはアプリ「ごちめし」機能を活用。先にサポーターが食事券を購入し、試合再開後に出店先で好きなメニューを味わえるという。これで運営費10%を差し引いた売り上げが、すぐに全店舗に分配される形だ。湘南は「後で食べていくよ、と応援の気持ちをこめて食事を先に購入していただく活動」としている。

またプレー動画による選手発掘も開始した。外出自粛でスカウトの目に触れる試合が減った小学生たちにプレー動画の投稿を依頼。コーチ陣がその動画を確認するオンライン上のスカウトとなる。対象は神奈川県在住の小学5、6年生で動画は今月30日まで受け付ける。湘南アカデミーの太田隆一ダイレクターは「子どもがチャンスをつかむ場を提供していきたいという思い」と期待を寄せた。