帝京安積(福島)サッカー部が、東北の強豪に果敢に挑んでいく。

今季は高円宮杯U-18プリンスリーグ東北に初参戦予定だった。しかし、コロナ禍で長距離移動を伴う最高峰の同プレミアリーグが中止になり、今年のみ昇格、降格なしのプレミア・プリンス合同リーグ(開幕日未定)が主戦場になる。ボールを保持して攻めるスタイルを成熟させ、青森山田や尚志(福島)、ベガルタ仙台ユースなどと戦い、実力を高めていく。

右肩上がりで成長してきた。13年に福島県リーグ2部に参入すると16年からは同1部に昇格。昨季は2位で昨年12月のプリンスリーグ参入試合に進み、1回戦、決定戦とPK戦にもつれる死闘を制した。直前の同11月、全国高校選手権県大会準決勝で尚志に1-2の敗戦。小田晃監督(36)は「ゲームプランを出せずに敗れ、選手たちに後悔があった」。やり切れない思いを、負けたら終わりの参入戦にぶつけた。

今季はDF篠木陽斗とDF穴沢夢斗(ともに3年)の主将2人体制で臨む。昨季から唯一主力でゲームキャプテンの篠木は「尚志のトップチームや今まで対戦できなかったJクラブとやれるのは楽しみ」。チーム全体のまとめ役の穴沢は「福島のリーグよりレベルが上がりうれしい。強豪ばかりなので成長できるチャンス」と心待ちにする。

37大会ぶりの選手権出場(当時は安積商)も目標だ。小田監督は「尚志を倒さないと出られないので、全国でベスト8以上を目指す意識でやっている」。2月に人工芝の新グラウンド、6月にクラブハウスが完成。秋にはハーフピッチも整備される予定だ。就任12年目の指揮官率いる新勢力が、虎視眈々(たんたん)と下克上を狙う。【山田愛斗】