柏レイソルがセレッソ大阪に快勝し、2年ぶり4強進出を決めた。

柏は、DF高橋祐が8月29日の鹿島戦で右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い、本職センターバック5人のうち4人が離脱する厳しい台所事情だった。その中で、ネルシーニョ監督は「今、手元に抱えている戦力でもって考えられるオプション」として5バックの戦術を選択。しっかり守りを固め、チームの武器のカウンターを繰り出し、したたかに得点を重ねた。

リーグ得点王のFWオルンガはベンチ外で、FW呉屋大翔(26)が先発した。8月15日のリーグではC大阪に1-3で完敗。呉屋は同試合を最後に出場から遠ざかり、ベンチを温める試合が続いていた。「(C大阪戦で)取り切れなかったことが出場時間に影響していると感じた。自分としてはここで出さないとという気持ちが強かった」。前半40分、MF江坂のパスを受け左足でネットを揺らし、チームに勢いを与えた。得点後は、負傷離脱した同世代の高橋の背番号「3」を示すべく、3本の指を突き立てた。「カウンターチャンスは絶対にあると思っていた。足元にボールを収められたので流れに身を任せて打てました」。同期にエールを送るゴールでもあった。負傷者が続出する事態の中、選手層の厚さを発揮し、ネルシーニョ監督は「今後へ貴重な1勝。これまで実戦に絡んでいなかった選手も出場機会を得たことで、ゲームに入っていきやすい状況が生まれた」と手ごたえを口にした。