J1ベガルタ仙台は12日、仙台市内で非公開練習を行った。チームに合流し3日目となるダビド・マルティネス・コーチ(32)もピッチに立ち、木山隆之監督(48)とともに、選手に指示を与え続けた。

練習後のオンライン会見では「守備よりも攻撃的で、責任感を持って戦えるチーム。相手のミスを待つのではなく、自分たちが誘発して、常に相手を支配して相手陣地で戦う競争力のあるチームを作りたい」と、チーム再建へのビジョンを語った。

スペイン出身の新コーチは20歳で指導者の道を志し、10年から4年間はビリャレアル(スペイン)の下部組織で監督を務め、18年からはスペイン1部のセルタでアシスタントコーチを務めている。その頃(18年)にスペインで木山監督と知り合ったのが縁で、仙台への入団が決まった。木山監督は「サッカー観やアイデアが自分に近いものがあった。いつかチャンスがあれば一緒に仕事をしたいと思っていた」と説明。それを受け、同コーチは「セルタとの契約が終わった時に木山監督から『ぜひ来てくれないか』という話をされた。最終的にはクラブの決定です」と、日本で指導する決断をした。

当初は今夏ごろに来日する予定だったが、書類等の手続きやコロナ禍による2週間の隔離期間を経て、シーズン終盤での合流となった。チームは最下位脱出を目指し、16日にアウェーで清水エスパルスと対戦する。同コーチは「自分たちのサッカーをして必ず勝ちたい。競争的なサッカーを見せたい」と意欲的。救世主の期待も、背負っている。【相沢孔志】

○…チームトップの9得点をマークするFW長沢駿(32)は、「一番はチームの勝利ですけど、ここまで来たら2ケタ決めたい思いもあります」と自己最多に並ぶ10ゴールを目指す。静岡出身で、昨年5月のアウェー清水戦でも得点しており、「去年の良いイメージはある。でもチームが勝つことが一番のミッションだと思う」と語った。