鹿島アントラーズのMF土居聖真(28)が、1日の横浜FC戦で今季初ゴールを挙げた。オフサイド判定、PK失敗を経ての執念のゴールだった。

前半28分。右のサイドライン付近で得たFKから、DF永戸のクロスを土居が頭で合わせネットを揺らした。得点かと思いきや、オフサイドの判定。前半ロスタイムには、MF荒木がペナルティーエリア内で倒されPKを獲得した。PKキッカーは土居。ねらいすまして左に蹴ったが、横浜FCのGK六反が触る。ああ、外れ…… と思った瞬間、ボールはゴールポストに当たり土居の前にはね返ってきた。あきらめずに詰めて右足で触りネットを揺らした。

土居 オフサイドの場面は、自分はオフサイドだと思っていなかったので、ちょっと運がないのかなと思っていたんですけど。PKは、練習した方に蹴ったのですが止められてしまって。こぼれてきて、詰められたので、最後に運が巡ってきたのかな。まあ、日ごろの行いが良かったとしか言えないのですが(笑い)。どんな形であれ、ゴールできたことに、意味が大きいかなと思います。

今季から鹿島を担当しているが、他クラブを担当していた時から、土居のプレーには引きつけられるものがあった。予期しない浮き球パスで中央を突いたり、ドリブルでの果敢な仕掛けと、アイデアが多彩。味方のスペースを空けたり、味方を助けるカバーに入るなど、気が利くプレーも光っていた。他クラブの選手からも「土居選手のドリブルはあこがれ」など、敬意を表する声も聞いた。土居がボールを持つと、何をするのだろう、というワクワク感がある。

今季は第12節での初得点となった。生みの苦しみの心境を「けがもありましたし、ちょっと、チーム状況も良くないスタートだったので。これでもっとチームをここから助けられるように。遅いと言えば遅いのですが、あまり気にせず。今後が大事。これからも泥臭く、とり続けられればなと思います」と話した。

かつて、土居は「僕個人としては、常に違いをつくったり意表を突くプレーを心がけている」と口にしていた。横浜FC戦で得点の結果を残したことで、いい意味でプレッシャーから解き放たれたのではないだろうか。今後の得点はもちろん、土居ならではのアイデアあふれるプレーでゴールに絡む姿にも期待したい。【岩田千代巳】