横浜は1点を追う後半41分、右サイドバック松原健(28)がまさに“ゴラッソ(スーパーゴール)”と呼ぶにふさわしい同点弾を決めて引き分けに持ち込んだ。

「同サイドのところで窮屈さを感じていた。(仲川)輝も入ってきてフレッシュでしたし、あそこで仕掛けを期待した」という松原は、まず左サイドのFW仲川へ大きくサイドチェンジ。仲川は中央へドリブルでカットインし、MF喜田とのワンツーから、中央へ走り込んできた松原へ再びパスを戻した。

ボールを受けた松原は「(シュートは)練習していた部分。トラップした瞬間に(ボールを)いいところに置けたので、イメージは完璧でした」。ペナルティーエリア手前から迷わず右足を振り抜き、カーブのかかったシュートをゴール左上に突き刺した。

中央に絞ってビルドアップや崩しに参加する「偽サイドバック」の役割を担う松原は現在、コンディションとも相談しながら、できる限りミドルシュートの練習を行うようにしている。「僕たちの戦術でサイドバックは必ずあそこにいなきゃいけない。そこから崩しきれなかったり、相手の守備ブロックが固くなった時、ミドルシュートが(選択肢に)入ると、相手もどんどん前に出てくる。そのイメージが去年、おととしからあった」のが理由だという。この日のゴールは普段からの周到な準備が見事結果となって表れた一撃だった。