北海道コンサドーレ札幌に加入したスロベニア人FWミラン・トゥチッチ(25)が30日、チームに合流した。

札幌・宮の沢での練習に初参加し、フルメニューを消化した。186センチの長身で左利きのストライカー。自慢の決定力を武器に、現在のリーグ10位から上位浮上を狙うチームのキーマンとなる。

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報道陣から「イケメンだ」という声があふれた。甘いマスクをのトゥチッチが、札幌の練習着姿で登場した。英語でFWジェイと談笑し、ランニングも並んで走った。シュート練習では左足でゴールへ流し込んだ。来日前日の13日まで古巣ブラヴォのチーム練習に参加していたため、2週間の隔離期間明けでも状態は上々。練習を終え「1日目なので少し緊張感があったけど、紅白戦が始まったらいい連係が取れたし、これからチームメートといい関係性ができそうでうれしい」と白い歯を見せた。

母国スロベニアやベルギー1部ルーベンでのプレー経験はあるが、Jリーグは初挑戦。チームの印象について「おもしろいサッカーをしている。すごく攻撃的なサッカーで私は好き。みんなと一緒にプレーするのが楽しみ」。1日でも早く戦力になるつもりだ。

チームのウイークポイントを補強する助っ人となる。今季12得点のFWアンデルソン・ロペスは6月に中国1部武漢へ移籍するためにチームを去った。以降はMF金子やFW小柏らの得点で勝利もしたが、チャンスを多くつくるも決めきれずに敗れる試合もあった。現在、2試合連続で完封負け。「ゴールを決める自信がある」と話すトゥチッチには、決定力不足を補うきっかけとして、期待が高まる。

デビューは9月5日ルヴァン杯準々決勝の東京戦(レモンS)から可能となる。ペトロビッチ監督(63)とはセルビア語で通訳なしで会話ができるため、初日から個別指導を受け、戦術理解を進めた。「今は10位だけど、もっともっと上を目指しているチーム。目標を達成するために私が活躍したい」と力強かった。【保坂果那】

<ミラン・トゥチッチ>

◆生まれ 1996年8月15日

◆出身 スロベニア

◆サイズ 186センチ、77キロ

◆利き足 左

◆経歴 16年スロベニア1部ブラヴォでプロ生活をスタート。19年ベルギー1部ルーベンに移籍。昨季は期限付き移籍でブラヴォでプレー。

◆背番号32 「33得点を決めてから、33がラッキーナンバーになった」というが、33番はFWドウグラス・オリヴェイラが付けており「空いてなかったので一番近い32にした」と決めた。

◆家族 来日前に結婚した妻がいる。「彼女はコロナの影響でまだ日本に来られていないけど、早めにこっちに来られるように」と願っている。

◆情報収集 昨季札幌所属で現ルーベンのタイ人GKカウィンからチームの情報を聞いて来日した。

◆言語 チーム内では主に英語で、ハリー・ビッソル通訳が担当。ペトロビッチ監督とはセルビア語で直接会話ができる。日本語は「シーズンが終わる頃には、サポーターに日本語であいさつできるように」と勉強中。