第100回全国高校サッカー選手権北海道大会は15日、帯広市内で開会式が行われ開幕した。全国大会(12月28日開幕、東京・国立競技場ほか)の出場権をかけ、16日から帯広の森球技場ほかで試合がスタート。25年ぶりに出場する室蘭清水丘は1回戦で北照と対戦する。60年に全道優勝し、全国出場を果たしている古豪が、節目の記念大会で復活の舞台に挑む。

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室蘭清水丘が久しぶりに全道のピッチに立つ。昨年まで2年連続で室蘭地区代表決定戦で涙をのんでいたが、伊達開来にPK勝ちで突破。96年以来25年ぶりの進出に、OBがオリジナルマスクを作製するなど盛り上がっている。DF西村颯太主将(3年)は「応援してもらっていてうれしい。僕らにとっては初めての全道なので、どれだけできるか」と心待ちにする。

選手19人で、ベンチ入り可能な人数(20人)を下回る。練習では紅白戦が組めず、7対7や6対6のミニゲームで動きを確認する。今春の地区大会では1回戦で登別青嶺に0-4で敗れ、苦しいスタートだった。その悔しさから「ズバ抜けた選手がいないので、チームワークで戦うしかない。あの試合から団結した」と西村。最後の大会で取り組みが実った。

勝利への思いは強い。1回戦の北照戦は、大学の入学試験日と重なった主力3年生2人が欠場する。本来、ボランチのMF吉田亜蓮はセットプレーのキッカーを務め、MF鈴木響太朗は右サイドを担う。重要なプレーヤーが不在となるが、イレブンは「初戦突破したい」と思いを1つに、両選手が出場できる2回戦進出を誓う。

60年度には全国出場(1回戦で徳島商に2-4)の歴史がある。今回はケガ人もおり、初戦は15人で臨むことになりそうだが、復活の1ページになる。名門筑波大出身で就任9年目の河津良多監督(47)は「私立の強豪には1対1では勝てない。複数で崩して奪うことを徹底し、普段やっていることがどれだけ出せるか」と勝利のポイントを挙げていた。【保坂果那】

○…札幌大谷 前年覇者は2年連続の優勝を狙い、東海大札幌-岩見沢緑陵の勝者と対戦する2回戦から登場する。昨年の全国出場メンバーは5人残り、DF安食優斗(2年)やMF岡本大地(3年)らを中心に戦う。田部学監督(47)は「スポーツっていいなと思ってもらえるようなサッカーを見せたい。感動的な試合になれば」と意気込んだ。