清水が自力で来季のJ1残留を決めた。C大阪に2-1で逆転勝ち。DF鈴木義宜(29)のゴールで追いつくと、MF西沢健太(25)が値千金の決勝弾。3年ぶりの3連勝で今季を締めくくった。順位を1つ上げて、14位でシーズンを終えた。

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試合終了の瞬間、スタジアムは大きな拍手に包まれた。引き分け以上で残留が決まる一戦。先制点を与えたが、逆境をはね返した。前半ロスタイム、FKを鈴木義が合わせて同点。さらに後半6分、西沢がエリア外から左足を振り抜いた。ゴール左上に突き刺さる今季2点目。得点後は、清水ユース時代の恩師でもある平岡宏章監督(52)のもとへ。固い抱擁を交わして歓喜した。この日は1得点1アシスト。「全員でつかんだ勝利。来季もJ1で戦えることをうれしく思う」と実感を込めた。

クラブは、平岡監督に来季の続投を要請する方向で話を進めていることがこの日、分かった。2年連続でコーチから昇格する形で就任。ラスト4試合で3勝1分けに導き、来季J2降格のピンチからチームを救った。クラブ幹部は「(平岡監督で)サッカーは積み上がっている」と高く評価した。【古地真隆】

○…試合後のセレモニーで、GK権田修一主将(32)がサポーターに異例のお願いをした。「特定の名前を出すのは良くないかもしれない」と前置きした上で、今季出場機会のなかったGK大久保択生(32)らに言及。「表に出ている選手だけでなく、普段の練習で頑張っている選手たちが、ここには多くいる。その選手たちに今年一番の拍手を送ってください」と訴えた。スタンドからの温かい拍手が、長く続いた。