コンサドーレ札幌は柏を3-2で逆転で下し、今季公式戦初勝利を挙げた。2年目FW中島大嘉(19)が2発で勝ち点3を呼び込んだ。後半途中で投入されると、「利き足は頭」と語る自慢の武器で連続ゴールを奪った。後半40分、左クロスを頭で合わせて同点弾。同45分は左FKから高い打点でゴールに押し込んだ。プレー時間18分で仕事を果たした2年目は「絶対やったろうって思った」と気合十分だった。

チームは前半だけで2失点の苦しい展開。だが、ベンチで試合を見つめていた中島の頭の中ではヒーローになるシナリオが描かれていた。「俺が3点決めたらかっこいい」。出場前にMF深井が1点を返し1-2。勝利までにハットトリックの必要はなくなり「2点で逆転してしまうな」と気持ちに余裕まであった。

昨季限りで現役を引退したJ1歴代最多得点のFW大久保嘉人氏は国見高の先輩であこがれの存在。背中を追う19歳はアピールに必死だ。「ゲームで目に見える結果を残そうと思っていた」と、主力奪取を狙い練習する日々。そんな姿をペトロビッチ監督(64)もしっかり見ている。「(送り出す時に)2点取ってこいと言ったのは冗談」と笑い「彼は最近いいトレーニングを積んでいた。それをピッチで証明してくれた」とうれしそうだった。

「今まで毎試合、この試合で俺のサッカー人生を変えるんだ、と気持ちを持って臨んだけどなかなか結果を残せなくて、今日やっと残せた。ここから自分の怒濤(どとう)の2022年を過ごしていきたい」と中島。自信を深め、さらなる活躍を予告した。【保坂果那】