日本代表GK“第3の男”がゴールを守り抜いた。湘南ベルマーレのGK谷晃生(21)が再三のピンチを防ぎ、今季8度目の無失点試合を記録した。スコアレスドローに終わったが、残留争いするチームにとって大きな勝ち点1。来週から始まる日本代表のドイツ遠征(23日米国戦、27日エクアドル戦)では、経験豊富なGK権田修一、川島永嗣のベテラン2人の壁に割って入りそうだ。

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試合後の谷に笑顔はなかった。「勝ち点3を取れなかったのは悔しいです」。それでも残留争い中のチームにとっては、価値ある勝ち点1。それを守り抜いたのが谷の頼もしい手足だ。

枠の中へ再三打たれるシュートを両手で力強くブロック。相手と接触して倒れ込んでも、何度も立ち上がった。背後を狙われたロングボールには、迷いなく前に走りだし、ピンチを未然に防いだ。「今シーズン通してずっと継続してやってきたところ。この試合だけじゃなくて、これまでの試合もこれから先の試合も、そういう姿勢は変わらずにやっていけたら」。成長の証が的確な判断力に表れた。

今月下旬のドイツ遠征に挑む日本代表に選出。これがW杯前最後の代表活動となり、谷にとっても負けられない試合が続く。「僕自身にとっても、日本代表にとってもすごく大きな試合。僕自身に関してはしっかりメンバーに入れるように、1日1日練習を大事にして、しっかりといいアピールをしていけたらなと思います」。挑むのは、代表GK2人の厚い壁だ。

森保ジャパンで守護神として君臨するのは権田。39歳の川島は圧倒的な経験値を持つ。その2人に割って入るために…。計り知れない伸びしろがアピールポイントだ。昨夏の東京五輪では全6試合にフル出場。W杯アジア最終予選にも名を連ね、大舞台で吸収したものを成長につなげてきた。

W杯開幕まで約2カ月に迫るが、チャンスはまだあるはず。ベテラン2人に負けじと、21歳の魅力でアピールする。