天皇杯を制覇した甲府が、町田にロスタイムの劇的ゴールで連敗を7で止め、12試合ぶりの勝利を手にした。先制点を決めたのは、鹿島でFWとして活躍していたアルシンドの長男、FWイゴール(29)。前半42分、GK河田のロングフィードを起点に、FWリラの落としに反応。右足シュートでネットを揺らした。今夏に甲府に加入し、今季初先発でしっかり結果を残した。

親子2代でのJゴール。記念すべきゴールだが「父は歴史に残る存在。プレッシャーは感じていたが、自分もいろんな経験を積んできた。自分のプレー、スタイルを表現するだけ」と冷静だった。

出場機会に恵まれていないときも、父が「全力で取り組んでやり続けること。チャンス回ってきたときに、すべてをはきだせ」とアドバイスをくれた。父の言葉通り、巡ってきたチャンスでしっかり結果を残して見せた。

父とはほぼ毎日、テレビ電話で話す。実際、取材エリアで「今、電話したら出るよ」とブラジルにいる父に電話。すぐに父は息子の電話に出た。イゴールは「今は、完全はげてます」と電話に出ている父が映っている画面を見せ「自分は大丈夫です。(父の髪が薄くなった年を)もう過ぎてますから」と笑わせた。

ちなみに、父のかつらのCMも知っており「全部見ている」と話した。父について「子どものためにやってくれる。いい人です。怒られたこともあります。怒られるときは半端ないです」と話していた。