アルビレックス新潟は鹿島アントラーズを1-0で破り、ルヴァンカップ初勝利を挙げた。

後半7分、MF秋山裕紀(22)が、この日センターFWに入ったシマブク・カズヨシ(23)からのパスをドリブルで持ち上がり、強烈なミドルシュートで決勝点を奪った。守備ではDF早川史哉(29)、GK阿部航斗(25)を中心に完封。リーグ戦、18日のアウェー浦和レッズ戦(1-2)から先発メンバー10人を入れ替え強敵に臨んだ新潟は、チームの総合力の高さを示した。

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技巧派ボランチが右足ひと振りで試合を決めた。後半7分。秋山は敵陣中央でパスを受けると背筋を伸ばしながらドリブルで運び、ペナルティーエリア手前でミドルシュートを“発動”。ボールは相手センターバックに当たったが勢いを失わず、雨でぬれたピッチを進み、最後はGKの手をはじき飛ばしてゴールネットに突き刺さった。「パスを受けた瞬間にシュートにいくことしか考えてなかった。相手に当たったが気持ちで押し込んだ」と勝利に直結した今季初、J1初得点を素直に喜んだ。

ぬかるんだピッチをものともしなかった。秋山はこの日も高い戦術観とパス技術でゲームをコントロール。前半は鹿島の勢いに押されて守備に回るシーンが多かったが、後半は攻撃のギアを上げて正確なパスをさばき、味方の特長を引き出した。ルヴァンカップ第1節のアウェー、アビスパ福岡戦(8日、0-1)後、股関節に違和感を感じ、離脱。22日に全体練習に復帰したばかりだった。「チームに迷惑をかけたので全力で恩返ししたいと思っていた。勝利に貢献できて良かった」と笑顔を見せた。

チームはリーグ戦の前節浦和戦からMF星を除く先発10人を入れ替えた。守備ではGKの阿部が好セーブを連発。センターバックの早川も相手攻撃陣に仕事をさせなかった。早川は「状況に応じながら対応できた」と話し、秋山も「全員が勇気と自信を持ってプレーした結果」と胸を張った。

誰が出ても思考するサッカーが変わらない新潟は選手全員が試合出場に向けて目をギラつかせる。4月1日のリーグ戦第6節、ホームで名古屋と対戦する。ケガからの復帰戦で決勝点を奪った秋山は「しっかりと自分たちのサッカーを示したい」と公式戦2連勝を誓った。【小林忠】

○…サイドアタッカーのシマブクが1トップで先発。左サイドに流れながらのポストプレーで秋山の決勝点をお膳立てした。「いい体勢の(秋山)裕紀に(パスを)落として、またパスをもらおうとゴール前に横切った。相手守備の注意を引くことにつながりましたかね」と照れくさそうに笑った。慣れないポジションでの起用には「前で体を張ってキープするタイプではないので細かい動きで視野から外れることを意識した。もっとプレーの幅を広げていきたい」と前向きだった。

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