北海道代表で初出場のBTOP北海道が4度目出場の山形大医学部(山形)を7-0で退け、天皇杯初勝利を挙げた。

札幌市出身のFW阿部遼海(りょうか、22)がハットトリックを達成。先制後の前半40分に1点目を決めると、後半26分、35分に連続得点し、大勝に貢献した。3得点とも右足で奪った。「いいパスが来たので、自分は決めるだけだった。仲間に感謝したい」と話した。

9-0で勝利した14日の日本通運との北海道リーグ開幕戦で、ダブルハットトリックとなる6得点を挙げたルーキーが、全国舞台でも躍動した。「しっかり継続できて良かった」。仙台大から今季加入。「地元のサッカーを盛り上げ、ここからステップアップを目指せたら」と、北海高時代まで過ごした故郷にUターンし、チームが目標に掲げるJFL昇格を目指している。

今季就任した磯部和彦監督(28)からは「いいものを持っている」と期待を寄せられる。小学生の時からずっとFWだったが、サイドバックやボランチを経験するよう指示を受け、視野を広げた。そのため大会プログラムではDF登録になっている。自身でも「サッカー技術や考える力が伸びている」と成長を実感している。

あこがれの大会だった。仙台大では1年時だった19年にチームが出場。自身はベンチ外だった。初戦でいわきFC(福島)に勝利し、2回戦に進出。ニッパツで横浜FCと対戦。阿部はスタンドから応援した。相手チームはカズことFW三浦知良(56)が先発。仙台大は先制に成功するもMF松井大輔(42)に同点ゴールを決められ、1-2で敗れた。「夢のある大会。絶対に出場したいと思っていたが、大学時代はかなわなかった」。社会人として夢のピッチに立ち、活躍した。

2回戦は6月7日にJ1湘南ベルマーレ戦(レモンS)。「自分が届かなかったJの舞台のチーム。自分の持ち味を出して、そこに結果がついてくればいい」と意気込んだ。阿部にとっても、創設2年目の新星チームにとっても、全国で名前を売るチャンスだ。【保坂果那】