静岡学園が飛龍を3-2で振りきり、優勝した21年以来2年ぶりの決勝進出を決めた。清水桜が丘が清水東との「清水ダービー」を2-1で制し、2019年以来4年ぶりの優勝に王手をかけた。セットプレーで奪った前半のリードを守り抜き、接戦をものにした。全国総体出場1枠を懸けた頂上決戦は、来月4日に袋井・エコパスタジアムで行われる。

   ◇   ◇   ◇

静岡学園の点取り屋が2戦続けて輝きを放った。前日の準々決勝・磐田東戦(4○1)でハットトリックを決めたFW神田奏真(3年)が、この日も2得点を決めて躍動。チームを最終決戦に導いた。「まだまだ。相手の守備は強かったが苦しい場面であと1点は取りたかった」と話すも「勝ててよかった」と笑顔を見せた。

前半8分、ゴール前の混戦で右足を振り抜き先制弾。FWエースがチームに勢いを与えて前半を1-0で折り返した。後半5分にはMF高田優(3年)の今大会初ゴールが飛び出したが同17分に失点。2-1と1点差となり緊迫した時間が続いた場面に、神田は「各個人で少し焦りが感じられた。このままじゃ終われないと思った」。その5分後、ゴール前でパスを受けた背番号「9」がチーム3点目を挙げて結果で示した。「最初に空振りしたが、おかげでフリーで打てました」と胸を張った。

決勝は清水桜が丘と対する。2年ぶりの頂点を目指す川口修監督(49)は「セットプレーが強く、堅守で手ごわい相手だが、選手には全国を経験させてあげたい」と望んだ。全国屈指の技巧派集団が最終の1戦に全てを懸ける。【山口昌久】