清水が救世主の活躍でJ1復帰に王手をかけた。ホームで5位山形とスコアレスドロー。引き分け以上でプレーオフ(PO)決勝進出が決まる一戦で無失点に抑えた。コンディション不良で欠場した元日本代表GK権田修一(34)の代役として、GK大久保択生(34)が先発出場。再三のビッグセーブでゴールを死守した。J1昇格を懸けた12月2日のPO決勝は東京Vと千葉の勝者と対戦する。

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再起の一戦で清水の執念が実った。ロスタイムのピンチを切り抜けると、終了の笛がなった。引き分けでもPO決勝進出が決まる一戦で完封。大久保のもとへ選手たちが駆け寄り、ハイタッチで喜び合った。自らの役目を全うしたベテランは「できることをやろうと思った」。負ければ終戦の大一番で代役以上の活躍を見せ、主役になった。

平常心で準備を進めてきた。15日の練習中に権田の顔面にボールが直撃。別メニュー調整だった守護神の代わりでチャンスが巡ってきた。今季はリーグ戦での出番がなく、公式戦出場は6月のルヴァン杯浦和戦以来。「普段出ない選手が入ることで、いい雰囲気を作れたらと思った」。前半6分には枠内シュートを2連続でストップ。同16分にも1対1のピンチで好セーブし、チームを勇気づけた。

2位で迎えた水戸との最終戦は痛恨のドロー。勝てばJ1自動昇格だった一戦で4位に転落した。大久保は「落ち込んでいる選手もいた」。意識したのは沈みがちだったチームのカンフル剤になること。普段は誰よりも早くクラブハウスを訪れ、黙々と練習に励む努力家。「試合に出る、出ないは関係ない」と悔しさは胸に秘め、背中でチームを引っ張ってきた。

15年の長崎在籍時にはPOも経験。試合終盤は「相手も焦るのは分かっていた」と冷静に時計の針を進めた。秋葉忠宏監督(48)が「前半のビッグセーブで何度も救われた」と手放しでたたえれば、MF乾貴士(35)も「(大久保)択生が救ってくれた」と感謝した。絶対的守護神を欠いたピンチでチームは結束力を強めた。目標のJ1昇格まであと1つ。大久保は「相手がどっちでもいい準備をするだけ」と、強い決意を口にした。【神谷亮磨】