「鬼木フロンターレ」が有終の美を飾った。川崎フロンターレが、今季限りで退任する鬼木達監督(50)のラストマッチでアビスパ福岡に3-1で勝利し、公式戦4連勝で今シーズンを締めくくった。

試合後の会見で、鬼木監督は涙を見せた。白星で川崎Fでの監督人生を終え「単純に勝ったことが非常にうれしかった。勝って終われて良かったです」と安堵(あんど)の思いで試合終了のホイッスルを聞いた。

試合後は、セレモニーでスタジアム全体から盛大に祝福され、温かく送り出された。「幸せ者だなと思います。こんな良い形で送り出してもらえることは無いと思います。17年の(初)優勝が思い出にありますけども、それに負けないくらいの今日は良い思い出になったので、うれしく思います」とかみしめた。

すがすがしい表情で会見に臨んでいたが、愛弟子について問われると、思わず感極まった。コーチ時代から手塩にかけ、監督就任初年の17年に主将に任命したFW小林悠(37)を、久々にリーグ戦の先発に起用した。

指揮官はエースが年齢を重ねるにつれて異なる役割を与えていた。今季からはDF丸山祐市(35)、FW山田新(24)とともに、副主将に指名。MF脇坂泰斗主将(29)が不在だった福岡戦は、3人の副主将が同時先発する中で、小林にキャプテンマークを託した。その理由を聞かれると「そうですね…やっぱり特別な思いはあります」と感情があふれた。

強く心に残っている17年の初優勝は小林が主将だったからこそ成し遂げられたと信じている。他の2人の副主将にキャプテンマークを任せることも考えたが、長くチームを支えてきたベテランが今後もチームを引っ張って行くことを期待して、エースに渡した。

その小林が決勝点。大事な試合でゴールを決めること確信していた。自身の退任発表後、初の試合でも小林が劇的な同点ゴールを奪った。記憶に残る得点を何度も決めてきたから-。「悠なら取ってくれると思っていました。退任が決まってからは面と向かってしゃべられていないというのがあった。これでちょっと2人でゆっくり話せるかなと思います」。離ればなれになっても、強い絆で結ばれている。【佐藤成】

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