川崎フロンターレが、クラブ史上初の決勝進出を成し遂げた。アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の準決勝でアルナスル(サウジアラビア)と対戦。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(40)を無得点に抑えて3-2で競り勝った。5月3日(日本時間4日)の決勝でアルアハリ(サウジアラビア)とクラブ悲願の頂点を争う。日本勢としては2022年大会の浦和レッズ以来2大会ぶりの制覇を目指す。
気温32度の敵地で、攻撃と守備、若手と中堅とベテランが、見事にかみ合った。準々決勝では途中出場だったMF伊藤達哉(27)とMF大関友翔(20)が先発起用に応えて1得点ずつ挙げ、後半にMF家長昭博(38)が3点目を奪って、中東の金満軍団を撃破した。日本代表DF高井幸大(20)は「世界のCロナ」を封じ込んだ。
今季就任し、クラブの歴史を新たに築いた長谷部茂利監督(54)は「始まる前から難しい、始まっても難しい試合でした。ただ、先制できて、リードもできて、追加点も取れて。最後は失点して危ない流れになりましたけど、選手たちがそれを分かって、ゲームをうまくクローズできた。若手とベテランの融合が素晴らしかった。(決勝へ)また、いい準備をしたい」と興奮気味に振り返った。
先制は、開始わずか10分だった。大関が前線の起点となり、左サイドのMFマルシーニョに展開してクロス。相手MFのクリアボールをMF伊藤がペナルティーアーク付近から右足をコンパクトに振って、ゴール左上に美しいスーパーボレーを決めた。
相手のセネガル代表FWサディオ・マネに一瞬の隙を突かれて追いつかれたが、同41分に大関だ。伊藤のシュートがGKにはじかれたところを、左足で蹴り込んだ。2人で2点に絡んで前半を終えた。
後半開始と同時に大関、FW神田奏真を下げて、MF脇坂泰斗主将とFWエリソンを投入。勝負に出る。一進一退の攻防が続いてたが、迎えた31分、そのエリソンが左サイド深くで粘り、いったん諦める動きから急加速する頭脳的プレーで左のゴールライン際を破り、後半途中から出場していたMF家長へプレゼントパス。中で丁寧に左足を合わせてリードを広げた。
終了間際の42分に2点目を失ったものの、GK山口瑠偉が神セーブを連発。最終盤、ロナウドに3度の決定機を許したが、執念と幸運で耐えしのいだ。クラブ史上初の4強で満足するどころか、一気に決勝まで駒を進めた。
4月27日(日本時間28日)の準々決勝で延長戦までもつれる激闘の末、アルサド(カタール)を3-2で破ったばかり。中2日で迎えたアルナスル戦ではスタメンを5人、入れ替えて臨んでいた。アルナスルはロナウドはじめ、マネ、クロアチア代表MFブロゾビッチ、コロンビア代表FWデュランら世界的なスターが数多く在籍しており、準々決勝では横浜F・マリノスを4-1で粉砕していた。
ドイツの移籍情報サイト「トランスファー・マーケット」によると、在籍する選手の市場価値では川崎Fと10倍以上の開きがある難敵を、日本が誇る組織力ではね返した。相手の完全ホームとなった中東サウジの地で、国内7冠を誇る川崎Fが、サックスブルーの歓喜の渦を巻き起こした。
先制点の伊藤「すごいタフなゲームだったんですけど、チーム全員で一丸となって、ファンの人も含めて戦い切れたことが良かったと思います。あと1つ勝って、日本のチームの強さを世界に示したい」
2点目の大関「本当に苦しい試合でしたけど、難しいゲームになるのは分かってましたし、プラン通りに進められたので良かったと思います。もう、ここまで来たら本当に優勝したいので、サポーターの皆さんもそれを望んでいると思いますし、自分たちもそれを望んでいるので、チーム一丸となって、フロンターレファミリー全員でアジア制覇したいと思います」
ロナウドを封じた高井「正直、個のところでは負けていましたけど、日本人らしい組織的な戦い方で勝ちました。次も個が素晴らしい選手たちがたくさんいるので、アジリティーやチームワークで相手を上回りたい。(決勝へ)ここまで来たからには気持ちだけだと思うし、あと1センチ、あと1メートル、そんな戦いになる。全力を尽くしたいと思います」
【得点経過】
1-0 前半10分 伊藤達哉(川崎F)
1-1 前半28分 サディオ・マネ(アルナスル)
2-1 前半41分 大関友翔(川崎F)
3-1 後半31分 家長昭博(川崎F)
3-2 後半42分 アイマン・ヤヒヤ(アルナスル)
【日本勢の決勝進出】
川崎Fで8チーム目となった。旧アジアクラブ選手権、前身のACL時代も含め、優勝すれば7チーム目となる。
(1)古河電工(優勝1回)
(2)読売クラブ(優勝1回)
(3)日産自動車/横浜
(4)ジュビロ磐田(優勝1回)
(5)浦和(優勝3回)
(6)ガンバ大阪(優勝1回)
(7)鹿島アントラーズ(優勝1回)
(8)川崎F
【動画】川崎F家長昭博が日本選手2番目の年長ゴール 大ベテランの一撃で決勝進出へ前進>>



