いきなり強豪を迎え撃つ-。第89全国高校サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会が22日、東京都内で行われた。4年ぶり10回目出場の静岡学園は、12月31日の1回戦(等々力=午後2時10分)で5年ぶり6回目出場で、全国総体8強の米子北(鳥取)との対戦が決まった。昨年の高円宮杯予選リーグで敗れるなど、数々の因縁のある相手となった。同大会は、12月30日に東京・国立競技場で開幕し、来年1月10日に同会場で決勝が行われる。

 DF金大貴主将(3年)が抽選を終え、しばらくすると会場がどよめいた。静岡学園のプレートの横に、米子北が並んだ。全国総体で優勝候補の流通経大柏を破って8強入り、昨年の同総体は準優勝という強豪校だ。だが、相手主将とがっちり握手を交わすと金主将はステージ上で「相手がどこであろうと、自分たちのサッカーをするだけです。高円宮杯では悔しい思い(準決勝敗退)を味わった。もう1度国立に戻ってきます」と堂々と宣言した。

 対する米子北とは、昨年の高円宮杯の予選リーグで対戦。試合を支配したが堅い守備を崩せず、カウンターから失点を重ね、1-3で敗れた。川口修監督(37)は「本当に力のあるチーム。ただ、うちがやることは変わらない。攻めて攻めてこじ開けるだけ」とリベンジへ力を込める。

 11月にチームの大黒柱MF大島僚太(3年)が、川崎F入りが内定。対する相手エースFW谷尾昂也(3年)も同クラブ入りが内定している。1回戦の会場は、川崎Fのホーム等々力。ただし、県大会決勝で退場した大島は出場することはできない。だからこそ金は「出られない大島のためにも負けられない」とチームの思いを代弁した。さらに、鹿島入りが内定している米子北DF昌子源(3年)は、金とG大阪ジュニアユース時代のチームメートでもある。

 数々の因縁のある相手だ。県勢と鳥取勢との対戦は08年の藤枝東が2回戦で境と対し、4-0で破っている。1回戦まで残り約1カ月-。指揮官は「強豪とやりたいと思っていた。これで気を引き締めていける」。金主将も「突破すれば勢いに乗れる。試合まできっちり調整していきたい」と力を込めた。【前田和哉】