まさに総力戦だった。第2戦のコスタリカ戦で右膝を痛め、別メニューで調整していたMF遠藤航(川崎F)は、スペイン戦の後半42分からピッチに立った。
1点を守り切りたい中、持ち味の対人への強さを発揮し、スペインに付けいるスキを与えなかった。
日本サッカー史に残る大金星にも、冷静に試合を振り返った。
一問一答は次の通り。
-守田と田中碧のコンビについてどう見ていたか
スムーズだったと思う。自分としては何も心配していなかったし、あの2人ならやってくれると思っていた。100%信頼して2人に託した。
-この4日間は何もしていない?
何もしていないです。自分でもびっくりするぐらいよく治ってきた。まだちょっと(痛みは)あるけれど、たぶん大丈夫。
-自分が出られない焦りや不安はあったか
ほかの選手のことを信頼しているので、チームに対する不安はまったくなかった。でも監督には本当に申し訳ないというか、難しい選択を迫ってしまったかなと思う。出場がまったく無理だったら監督も判断しやすかったと思うけれど、『もしかしたら行けるか』ぐらいの状態だったので。
-ピッチに立つときに何かアドバイスは受けたか
とくにはなかった。基本的にはゲームプラン通り試合を進められたので。早い時間帯に1失点したことは想定外ではあるけれど、基本的にはゲームプランをチーム全員でやれていたし、後半勝負というイメージもしていた。
-後半に得点が何度も動いたドイツ対コスタリカの結果は、ピッチの仲間にどう伝えたか
とにかくピッチの中には伝えた方がいいと思っていた。トミ(冨安)が入ったときにまだ多分2-2だったけれど、とりあえず伝えようとはトミには言っていた。僕が入ったときには3-2になっていて、それも伝えた。ただ、全員には伝え切れてはいなかったけれど。
-引き分けてはいけない時間もあったりした
たぶん最後も引き分けてはいけない時間だったと思う。だからとにかく守り切ろうと。スペインも多分、ベンチの様子は落ち着けという感じだったので。そこはなんというか…スペインの選手にも『落ち着け』と言おうかな、みたいな。でもさすがにそこまでの余裕はないし(笑い)。とにかく守ることに集中しようと思っていた。
-ドイツとスペインに勝っての1次通過
日本がこのグループを1位で突破するなんて世界の多くの人たちが思っていなかった。世界を驚かせるというか、まずはこのグリープリーグを突破してサプライズを起こそうとチームみんなで思っていて。そこは1人1人の意識というか、交代選手も含めて、みんなの思いが詰まったドイツ戦とスペイン戦だったと思う。
-優勝経験チームを2つ倒し、目標の上方修正は
まずはとにかく次のベスト16を勝つこと。その先に行ければもちろん目標も1つ1つ上がっていくということだと思う。個人的にはまずはこのグループを突破することを目標だったし、次の目標はベスト8に行くということは変わらない。
-決勝トーナメント1回戦はクロアチアと対戦
チームメートがいるので、個人的にはそれが楽しみ。ワールドカップ前から対戦するかもとは言っていたけれど、まさか実現するとは。でも今日も見たけれど堅いチームで、間違いなく良いチーム。