H組1位のポルトガルが、エースFWロナウド(37)の代わりに先発に抜てきされた21歳のFWラモス(ベンフィカ)のハットトリックなどで、G組2位のスイスに6発で圧勝し、06年のドイツ大会以来、4大会ぶりに8強進出を決めた。

ラモスはワールドカップ(W杯)カタール大会で代表デビューしたばかり。AP通信によると、W杯初出場でハットトリックを達成した選手は、02年のドイツ代表クローゼ以来。

ポルトガルが大量リードの中、スタジアムのファンたちが、37歳のロナウドを起用するように要求し始めた。後半27分、ファンの願いが届き、ロナウドがピッチに立った。1度はネットを揺らすもオフサイドの判定。得点はなかったが、スタジアムをわかせた。

大会期間中にマンチェスター・ユナイテッドを退団し、現在は所属クラブがない。モロッコ戦の前日には、フェルナンド・サントス監督は韓国戦でのロナウドの立ち居振る舞いに不満を爆発させていた。指揮官は、ロナウドを先発起用しなかった理由に「戦略的な決定であり、懲罰的な決定ではない」と語った。指揮官は、ロナウドについて話す前に「我々がしなければならないのは、このチーム全体について考えることだ。私は常に、彼はチームにとって非常に重要な選手であると考えている」と語った。

03年にロナウドがポルトガル代表でデビューしたとき、ラモスはまだ2歳。そのラモスが、今大会で初めてハットトリックを達成した。ラモスは「(ロナウドは)我々のキャプテンとして、いつも通りやってくれた。彼は、僕だけでなく、僕の同僚も含めて、僕たちを助けてくれたし、励ましてくれた」と語った。

また、同試合でポルトガルの39歳のDFペペ(ポルト)が得点。39歳283日での得点は、W杯の決勝トーナメントでの最年長ゴールとなった。

 

▼年長得点 ポルトガルの39歳DFペペが5日の決勝トーナメント1回戦スイス戦で得点。39歳283日でのゴールはカメルーンのロジェ・ミラが94年米国大会1次リーグのロシア戦でマークした42歳39日に次ぐW杯史上2位の年長得点記録。決勝トーナメントに限れば、58年スウェーデン大会でスウェーデンのグレンが準決勝の西ドイツ戦で残した37歳236日を更新する最年長得点となった。

▼ハットトリック ポルトガルのFWゴンサロ・ラモスが5日の決勝トーナメント1回戦スイス戦で3得点。今大会初。前回18年ロシア大会1次リーグでイングランドのケーンがパナマ戦で記録して以来、通算53度目。決勝トーナメントでは90年イタリア大会の同1回戦でチェコスロバキアのスクラビーがコスタリカから3得点して以来32年ぶり。