[ 2014年2月8日9時8分

 紙面から ]

 雪と氷も解ける熱いソチの16日間、日本中の目が黒海沿岸のロシアの保養地に注がれる。フィギュアの浅田真央にジャンプの高梨沙羅、日本の誇る金メダル候補たちが、それぞれのドラマの主役となる。日刊スポーツ五輪前恒例のメダル予想。今回も、現地で取材する5人の担当記者が期待を込めて夢を伝える。金メダル8個を含む総メダル数は過去最多23個。眠れない夜が、いよいよ始まる。

 ロンドン五輪で過去最多の38個のメダルを獲得した「チームジャパン」。20年東京五輪決定後、初の五輪となるソチも、勢いに乗ってのメダルラッシュが期待される。金メダル候補筆頭は女子ジャンプの高梨と女子フィギュアの浅田。安定した実力で、日本中の期待に応えてくれるはずだ。

 男子もジャンプ、フィギュアは有力。選手団主将の葛西がソチの空に栄光の懸け橋を描き、羽生はリンクを華麗に舞うだろう。スピードスケートは長島と加藤が同タイムでダブル金メダル。今季ランク1位と2位は甲乙付けがたい調子で、2本合計で1000分の1秒まで並ぶ「奇跡」が起きる。

 さらに、98年長野大会から5大会連続出場となるモーグルの上村や、長野大会時には生まれていなかったスノーボードの平野もメダル候補。ノルディック複合陣が復活し、終盤にはカーリングやスケート女子の団体追い抜きが「チーム力」でメダルを手にする。

 担当記者の期待を込めた「大盤振る舞い」の予想だが、日刊スポーツには実績がある。ロンドン五輪直前に、過去に例のない「毎日メダル」を大胆予想。これが見事に的中した。選手の頑張りで、獲得メダルは史上最多の38個。競技環境の整備や強化費の増大、女子ジャンプなど種目増も追い風になる。橋本団長は「長野五輪(メダル数10個)超え」を目標としたが、2倍以上になる可能性がある。

 問題は、ロンドン大会に続いて時差だ。多くのメダルが深夜に決まる。幸いにも、スピードスケートのダブル金メダルの翌11日は建国記念の日。「国を愛する心を養う」と定められた祝日の深夜には、今大会最注目の高梨らメダル有望競技がめじろ押しだ。20日深夜は女子フィギュア、複合、カーリングなど、こちらも眠れないが、21日の金曜日は目をこすりながら仕事をするしかない。またまた眠れない2週間。熱く燃えるソチから目が離せない。