<第89回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間108キロ)

 国道1号の最高地点、二子山の標高874メートル地点の気温は3度。風速18メートルという冷たい強風が吹く過酷な条件が、5区で初の2校の途中棄権を生んだ。最初の犠牲は、城西大の浜本栄太(4年)。18・3キロ付近で前のめりになり、櫛部監督の呼び掛けにも反応しなくなった。ふらつく足元。同監督は「目もうつろで、頭でも打ったらまずい」と判断を下した。1人での走りが長く、174センチ、50キロの細身の体を寒風がむしばんだ。体温が上がらず、低体温と脱水症状に。救急車で病院に搬送された。

 同じ症状に襲われたのは中大の野脇勇志(4年)。残り1・5キロ地点でふらつき、意識がなくなり転倒した。浦田監督は「全て私の責任。シード権を守ってきた先輩方に申し訳ない」と肩を落とした。84年連続87回目出場で初の棄権。28年連続シードの記録も断たれた。2校以上の途中棄権が出るのは、08年の84回大会で順大、大東大、東海大が経験して以来5年ぶり2度目だった。