佐藤悠基(32=日清食品グループ)が全体16位の2時間15分7秒でゴールした。

序盤は大迫、中村とともに先頭集団についていった。20キロ過ぎに離されたものの、1キロ3分を切るペースを維持した。ところが、30キロを過ぎて、ペースダウン、日本人トップも守れなかった。

2月3日に行われた、丸亀ハーフマラソンでは転倒し途中棄権。今でも傷がえぐれているところもあり、ケガが完治していない状態。左膝の打撲がひどく、右手首もいまだに痛みが残る状態での参戦だった。練習メニューも変更し、2週間ぐらいは痛み止めを飲みながら走っていた。それでも徐々に調子を上げ1日の会見では「設定以上のタイムが出せるようになった」と順調な調整をアピールしていた。

30歳を過ぎ、ベテランの域に入ってきた。それでも「距離に対する練習も難なくこなせるようになった。距離だけでなく質も上がってきた。気持ちがすべてだと思うので弱い部分を出さなくなった」と手応えを感じている。

長野・佐久長聖の後輩、大迫との対決が注目されたが「意識はそんなにしていない。スタートラインに立てば勝負になるが、そこを意識しても仕方ない」と話していた通り、序盤から常に大迫の前を位置取り、突き放していった。

後半大幅に失速してしまった佐藤だが、すでにマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を手にしている。「まだまだ成長している」と語る佐藤。前レース転倒のダメージを考えれば、MGCで東京五輪出場権獲得のチャンスは十分にある。