陸上の17年世界選手権男子400メートルリレーの銅メダルメンバー、多田修平(22=関学大)が1日、住友電工の大阪本社で入社式に臨んだ。

200人を超える同期と初々しく臨んだ。「自分、人見知りですけど、隣の人と仲良くなりました」。すでに関東に練習拠点を移し、慣れないひとり暮らしをしながら練習を積んでいる。「順調に仕上がっているんで、レースでどう出るか楽しみ」と目を輝かせた。

新元号が発表された日。多田が目指すのは「令和最速の男」だ。「新しい元号が発表されて、自分も社会人になった。新たな出発をして、いい結果を出したい」と意気込む。「令和」については「かっこいいですね。クールな感じで好きです」と表現した。

住友電工では大学時代のライバル、永田駿斗(22=慶大)と同僚になる。昨年のインカレで敗れた。「同じチームで切磋琢磨(せっさたくま)して、お互いに世界を目指せれば」。永田も「同じチームになってうれしいし、心強い」と言った。これまであまり会話もなかったというが、多田は「ここに来て急に仲良くなりました」。今後は練習の情報交換なども行い、お互いに高めていく。

17年6月の日本学生個人選手権で追い風参考ながら9秒94をマークし、一気に注目を浴びた。その「年」を超えるのが社会人1年目のテーマ。ピークは日本選手権、世界選手権に設定し、社会人初戦は出雲陸上(4月20、21日)か織田記念(同27、28日)の二択で検討中は変わっていない。

住友電工の松本正義会長(74)からはひと言。「関東に染まるなよ」。多田も「関西のスピリットを持って挑みたい」と誓う。

国内での競争が激しい男子スプリント界。最大の目標、来年の東京五輪へ、多田は「関西魂」を忘れず、戦いを勝ち抜く。