31日号砲の大阪国際女子マラソンの記者会見が29日、大阪市内で行われた。新型コロナウイルス感染拡大により、これまで御堂筋など大阪市内を回る公道から、発着地点だった長居公園内を約15周(1周2・8キロ)する周回コースに変更され、観客は入れない。

この日の会見には、マラソン東京五輪代表に内定している一山麻緒(23=ワコール)と前田穂南(24=天満屋)ら国内招待選手らが出席した。

日本歴代4位の2時間20分29秒で優勝した昨年3月の名古屋ウィメンズ以来となるマラソンに、一山は「日本記録を目指し、それだけを思って練習してきた。あさってのレースで(日本記録の)2時間19分12を出した瞬間が(最後に)待っていれば」と意気込んだ。

19年9月の五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ」(MGC)の優勝以来となる前田は「マラソンは久々なので一番楽しみ。スピード強化は苦手意識があった中で、去年に比べて楽にスピードに乗って走れるようになった。周回コースはまだ見ていないが、あまり気にしていない」と話した。

国内主要レースが、短い周回コースで実施される初のケース。長居公園内の周回コースは、約5メートルの高低差で平たん。公園内にある樹木などで風の影響も受けにくいとみられる。国際陸連認証のもと、05年に野口みずきが樹立した2時間19分12秒の日本記録更新に期待がかかる。

新型コロナの影響で海外招待選手はおらず、ペースメーカーに男子の川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)らが務める。一山や前田は昨年、東京五輪が延期になった期間をトラックでのスピード強化にあててきただけに、高速化が期待される今回は絶好の試金石になる。【横田和幸】