北信越で今夏開催の全国高校総体(インターハイ)につながる熱い戦いが、各地で始まった。福島、宮城で県高校総体陸上が開幕、青森県では2日目が行われた。福島では「東北最強ランナー」の学法石川・山口智規(3年)が、男子1500メートルを3分50秒38で優勝した。

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学法石川のエース山口が男子1500メートルで、猛追する田村の2選手を振り切り、1位でフィニッシュした。100メートルまで各選手のけん制が続いたが、直後に抜けだし、一時は後続に約50メートルの差をつける独走態勢。400メートルは59秒、800メートルは2分0秒、1200メートルは3分3秒とラップを刻み、最後のホームストレートで失速しながらも優勝は譲らなかった。

先輩超えに挑んだ。学法石川OBの遠藤日向(22=住友電工)が、高校3年時の16年にマークした3分47秒10が大会記録で、「3分45秒を狙っていたが、1000メートルを通過したところで足が動かなくなり、きつかった」。この日のいわき市の最高気温は前日より5度高い24度だったが、「暑さというよりも実力不足」と受け止める。それでも「今日のレースは800メートル通過まではいい感じで、それは収穫でした」。反省だけでなく手応えもつかんだ。

今季の山口はひと味違う。4月25日に都内で行われた記録会では、高校歴代9位となる5000メートルで13分46秒95をマーク。さらに今月7日の地区大会では、1500メートルで今季高校ランキング4位の3分48秒06で優勝した。高校1、2年時は膝のけがなどに苦しんだが、最終学年になり、順調にレベルアップしている。

2冠に照準を合わせる。「明日(29日)は5000メートルがあるので、大会記録を狙いたい」。東北高校陸上に、まずは1500メートルで出場が決定。得意の5000メートルでも東北切符を勝ち取る。【山田愛斗】

◆福島男子400メートル 日大東北・町田怜央(3年)が48秒04で優勝し、リレーを含めた4冠に向けて好発進した。それでも自己ベストの47秒39、大会記録の47秒51に届かず、「大会新を狙っていたので正直悔しい。もう少し、前半にタイムを削り出せれば47秒台と大会新が見えた」と反省しきりだった。