星岳(ほし・がく、23=コニカミノルタ)が、2時間7分31秒の初マラソン日本最高記録で優勝した。山下一貴(24)、浦野雄平(24)の3人で競り合う流れから抜け出し、好記録で第1回の統合大会を制した。4位まで2時間8分を切るハイレベルな戦いで、上位6選手と、対象2大会で条件をクリアした9位の川内優輝(34)を含む7選手が新たに24年パリ五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を得た。

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積極的なレース展開を見せた山下だが、2位に終わった。「優勝したかった。悔しさはあるが、前回(21年びわ湖18位)から順位をメインに意識してきた。目標通りには走れたと思います」と振り返った。

優勝を競った3位の浦野は同世代で、大学時代に合宿をともにするなど親交があったという。先頭を走っていた山下が35キロ過ぎ、きつくなって浦野に「(先に)行ってくれ」とささやいた。集団の先頭は、風を全身で受けるために体力を消耗するため。そのやりとりの際、思わず笑みをこぼす場面がテレビで中継された。「(浦野とは)知り合いで呼吸を聞いていたら余裕がありそうだったので。結果、2人とも優勝できなかったので申し訳ない」と会見で苦笑いした。

2度目のマラソンで順位も自己記録も更新と、力は示した。今後も楽しみなホープは「手応えとしてはよかった」と振り返った。