一山麻緒(24=ワコール)が2時間21分2秒をマークし、日本人トップの6位でゴールした。夫の鈴木健吾(26=富士通)も2時間5分28秒の日本人トップ4位でゴールしており、夫婦そろって日本人1位に輝いた。レース後は夫婦で抱き合い、喜びをあらわにした。

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2人の合計タイムは4時間26分30秒となり、同一大会での夫婦合計タイムのギネス記録を更新した。従来の記録はケニア人夫婦による「4時間27分5秒」だった。

晴れて「世界最速夫婦」となった。ギネス記録更新を問われると、鈴木は「シンプルにうれしい。彼女と苦しい時も共有して高め合うことができた」と言えば、一山は「2人で1番はうれしいです」と笑った。

新谷仁美(積水化学)とともに日本記録ペースで快走して終盤まで踏ん張ったが、日本記録更新はならなかった。従来の記録は野口みずき(グローバリー)が2005年のベルリンマラソンで記録した2時間19分12秒。

一山は20年名古屋ウィメンズマラソンを日本歴代4位の好タイムで優勝して、東京オリンピック(五輪)の出場権を獲得。札幌で行われた昨夏の東京五輪では日本人トップとなる8位入賞を果たした。

昨年12月、男子マラソン日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)との結婚を発表。今大会には夫婦そろって快走し、世界選手権(米オレゴン)出場が濃厚となった。

◆鈴木健吾(すずき・けんご)1995年(平7)6月11日生まれ、愛媛・宇和島市出身。小学生時代はソフトボールをやっており、全国高校駅伝に出場経験のある父和幸さんの影響で城東中1年から陸上競技へ。宇和島東高を経て神奈川大に進む。箱根駅伝では1年で6区19位、2年で2区14位、3年で2区の区間賞、4年で2区で4位。18年4月に富士通に入社。163センチ、48キロ。

◆一山麻緒(いちやま・まお)1997年(平9)5月29日生まれ、鹿児島県出水市出身。出水中では800メートル、1500メートルで県大会入賞。出水中央高では1500メートルと3000メートルで全国高校総体出場。16年にワコール入社。19年MGCは6位。20年名古屋ウィメンズマラソンで2時間20分29秒の国内レース最高記録を樹立し、東京五輪切符獲得。憧れは同門の福士加代子。158センチ、43キロ。

 

◆世界選手権マラソン代表の選考方法 

米オレゴンで7月に開催される世界選手権のマラソン男女代表は各3選手。男女の各1人目は、20年度と21年度の2年間の総合成績をポイント化した「ジャパン・マラソン・チャンピオンシップ(JMC)シリーズ1」のランキング1位者(日本選手権者)。この対象者が辞退した場合は、JMCシリーズ1のランキング上位者から選考。男女の各2、3人目は21年度の選考競技会(男子=福岡国際、別府大分毎日、大阪・びわ湖毎日、東京。女子=大阪国際、東京、名古屋ウィメンズ)で、派遣設定記録(男子=2時間7分53秒、女子=2時間23分18秒)をクリアした日本人2位以内の競技者。これで3枠が埋まらない場合は、JMCシリーズ上位ランキングから選出する。

東京の結果を受け、JMCシリーズ1のランキングが更新され、鈴木健吾(富士通)が男子の1位に。また、女子で一山麻緒(ワコール)も1位となり、夫婦での世界選手権出場が確実な状況となった。