前回3位だった男子の仙台育英(宮城)は2時間3分51秒の5位で4年連続入賞を決めた。

最初で最後となった師走の都大路。後村光星(3年)が集大成の走りを見せた。各校の猛者が集ったエース区間の1区(10キロ)。西脇工(兵庫)の大会注目ランナー、長嶋幸宝(3年)がレース序盤から独走態勢に入ったが、後村に焦りはない。「そうなることはレース前から分かっていました」と言う。スローペース展開となった2位集団の位置をがっちりキープする。残り3キロ地点でギアを上げて、スパートをかけ始める。だが、残り1キロ地点の勝負どころで失速。結果は29分47秒で区間9位も、千葉裕司監督(35)の想定を超える出来だった。「滑り出しとしては順調だった。流れを持ってきてくれた」と目を細めた。

最後は気持ちで状態を仕上げてきた。10月の県大会前から調子が上がらない。1区を走る予定も、最終区に回った。同大会後も復調の兆しが見えない。「正直、焦りはあった」。不安を募らせるが、心の内に秘めた思いが自らを奮い立たせてくれた。「自分が1区を走るしかない。調子が上がらない時だってある」と迷いを吹っ切らせ、練習に励んだ。冬本番直前に行った関東合宿で状態は上向き、自身初の都大路で堂々の力走を演じた。「緊張はなくて、自信があった。トップとの秒差があいてしまい、悔しいけどやり切った」と胸を張った。

昨年は3位入賞に終わり、3年ぶりの「覇権奪還」を目指した冬が幕を閉じた。就任1年目の千葉監督は「絶対的なエースと呼べる存在がいなかった。全体的にレベルアップして、また来年(都大路に)戻って来ます」と巻き返しを誓った。【佐藤究】