来年1月2、3日の第99回東京箱根間往復大学駅伝の区間エントリーが29日、発表され、連覇を狙う青学大はエース近藤幸太郎(4年)を2区に配置した。

エース区間には、出雲、全日本を制し、史上5校目の年度3冠を狙う駒大も絶対エース田沢廉(4年)をエントリー。過去の3大駅伝では近藤の4戦全敗。花の2区での強豪校エース対決も優勝のカギの1つになりそうだ。

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青学大はエース対決を制して連覇を狙う。近藤幸太郎と駒大・田沢廉の学生3大駅伝直接対決は5回目。近藤は駅伝で1度も勝ったことがないが、学生界エースの背中が見える位置まで成長した。

今季の出雲は距離が8・5キロと短いが1秒差。全日本は14秒差。田沢がレース後に「近藤と思ったより差がなかった」と振り返るほど、かなり迫った。左かかと疲労骨折などで9月までの約5カ月間、レースに出られなかったが、しっかり駅伝シーズンに合わせてきた。

近藤は常に田沢について「次元が違う」「かなわない存在」としてきた。全日本後に「箱根では1秒でも縮められたら。チームが勝てれば」と淡々と話す。一方、田沢は「エースとして他を寄せつけない走りをしたい」と、ぶっちぎりのレースを展開するつもりだ。

原監督は「相手は駒大しかない」と対駒大を強く意識している。「10区間をどうマネジメントしていくか」とポイントを挙げながらも、「前半が重要。駒大さんと離れないように」とエース区間も重要視している。「田沢君と近藤はほぼほぼ変わらないと思う。箱根に関しては近藤の方が強いのではと感じている」と近藤の実力を高く評価。期待を寄せる。

選手層は厚い。カギの1つでもある山登りの5区には、前回往路Vにつなげる区間3位の快走で、監督が“若の神”と評価した若林宏樹(2年)を配置。主力の1人、岸本大紀(4年)や前回大会MVPの中村唯翔(4年)を補欠登録で“様子見”を決めた。

青学大は今季出雲は4位、全日本は3位に終わったが、箱根に強い。初Vの15年以降の8大会で優勝は4連覇を含む計6回。箱根に照準を合わせる“調整力”もある。選手層の厚さと調整力を武器に、エースの発奮がチームを連覇へとさらに勢いづける。【近藤由美子】

◆近藤幸太郎(こんどう・こうたろう)2001年(平13)1月30日、愛知県生まれ。愛知・豊川工卒業後、青学大経営学部入学。箱根は2年時に7区で初出場。3年時の前回は2区を走り優勝に貢献。今季はケガに苦しむも、約5カ月ぶりのレースとなった9月日本インカレ男子5000メートルで2連覇を達成。1万メートル公認記録は28分10秒50。175センチ、57キロ。血液型B。

○…駒大は年度3冠へ、田沢を2区に配置したほか、出雲で6区区間賞も全日本を回避した鈴木芽吹(3年=佐久長聖)を4区に配置。大八木監督が田沢以外のカギに挙げるスーパールーキー佐藤圭汰(1年)と篠原倖太朗(2年)は補欠登録。ジョーカー的な存在とみられる。山登りの5区は前回に続き金子伊吹(3年)をエントリー。全日本8区区間賞の花尾恭輔(3年)を8区に配置した。

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