<陸上:第69回埼玉県選手権>◇最終日◇29日◇熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 今秋のアジア大会(仁川=韓国)男子マラソン代表の公務員ランナー川内優輝(27=埼玉県庁)が、男子1500メートルで初優勝した。予選は3分55秒81の全体トップ、決勝も3分56秒48で自己記録(3分50秒51)には届かなかったが「シミュレーション通り。すごく欲しかったタイトルなのでうれしい」と満面の笑みで話した。

 16週連続レース出場は前々週で途絶えたが、前週は甲信越の山で2日合計13時間のトレイルランを敢行。不規則な起伏の山道をスタミナ養成の狙いで駆け回った。「その上で今日はスピードが落ちていないか試したけど、スタミナもスピードも順調」と納得した。

 アジア大会で金メダルを逃した場合は「間違いなく(来年の北京)世界選手権は狙わない」と従来の考えを示した。その際は世界選手権代表選考会となる、思い入れのある福岡国際や東京なども「自分が出て(好成績を出せば)選考がややこしくなるから」と回避する徹底ぶり。2年後のリオ五輪についても、北京を逃した場合は「1年間、リオを目指すかダメなのか考える」と揺れ動く心境を吐露した。【渡辺佳彦】