平井伯昌

北京五輪競泳男子100メートル平泳ぎ決勝 58秒91の世界新記録で金メダルを獲得した北島康介は、こん身のガッツポーズ
北京五輪競泳男子100メートル平泳ぎ決勝 58秒91の世界新記録で金メダルを獲得した北島康介は、こん身のガッツポーズ

北島と言えば「チョー気持ちいい」。アテネ五輪100メートル、200メートル平泳ぎで2冠に輝いた競泳界のレジェンドには、4年後北京に黄信号がともっていた。夢を実現させたことで気力がうせ、故障にも泣いた。06年パンパシフィック選手権で転機が訪れた。200メートル決勝。隣で泳いだ宿敵ハンセンが世界記録を樹立。「負けを知ったとき、初めて勝つことが出来る」と書いた作文を思い出した。ヤル気を取り戻して北京に向かった。100メートル決勝では59秒を突破する58秒91の世界新で金メダル。「飛び込んで浮き上がった時点で勝ったと思った。完璧なレース」と平井コーチが驚嘆し、北島は「何も言えねえ」と声を詰まらせた。

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<北京五輪・2008年8月12日掲載>