<全国高校総体:柔道>◇8日◇福岡市民体育館◇男子個人

 男子個人戦で3階級が行われ、60キロ級の泉高祥(3年)と66キロ級の青山拓哉(3年)の「市沼津コンビ」が健闘した。泉は3回戦で延長戦の末に敗退。青山は初戦で敗れ、ともに目標の8強入りは果たせなかったが、高校生活最後の大会で全てを出し切った。また、73キロ級で東海大翔洋・横山稜悟(2年)は3回戦で一本負けを喫し、ベスト8進出を逃した。

 初の大舞台で市沼津の2人がベストを尽くした。60キロ級の泉は初戦となった2回戦で「狙っていた」内股すかしを決めて一本勝ち。3回戦は終盤までポイントでリードしていたが、残り8秒で指導を受け、延長戦に突入。「何とか勝ちたかったけれど、最後は気持ちが逃げていた」と袖釣り込み腰を決められた。

 66キロ級に出場した青山は1回戦で優勝候補筆頭の相手に善戦したが、初戦敗退。それでも「会場の雰囲気は県大会とは全然違う。悔しいけれど、とても楽しかった」。泉と青山の2人はチームメートでともに全国大会は初出場。泉は「あいつが頑張っていた試合を見て、自分もやらなきゃいけないと思った」と仲間の奮闘を力に変えて3回戦まで駒を進めた。

 中学まで無名だった2人がお互いに刺激し合い、全国大会に出場できるまでに成長した。高校生活最後の大会で結果を残せなかったが、悔いはない。「小学校から憧れていた場所なので楽しかった。1勝できたことは本当に大きい」と泉。青山も「試合中からこれが最後という気持ちでやっていた。今はすがすがしい気持ち」と晴れやかだった。【神谷亮磨】