<全国高校総体:テニス>◇男子シングルス決勝◇8日◇東京・有明テニスの森公園

 テニス男子シングルス決勝が東京・有明テニスの森公園で行われた。0-1で迎えた第2セット。高橋悠介(神奈川・湘南工大付2年)が、本来の実力を披露した。持ち味の守備力で、小林雅哉(千葉・東京学館浦安2年)から繰り出されるショットを受け止めた。つなぐプレーで相手の自滅を誘い、6-2で奪取。続く第3セットも6-1と圧倒して両腕でガッツポーズを決めた。

 シード1位の重圧があった。さらに同2位の千頭昇平(愛知・誉1年)が準決勝で敗れて戸惑いもあった。「(第1セットは)緊張もあって無理に攻めに行ってしまった。打ちたい気持ちを抑えてペースを落とし、本来のプレーが出来た」と笑顔。精神面を課題としていたが、第2セット以降は見違えるようなプレーで成長をみせた。

 1カ月のブランクもあった。5月に腰の不調を訴え、6月はラケットを握らず静養に努めた。疲労蓄積による腰痛だった。「焦りはあったけどジュニア世代には負けない自信はあった。コーチから『6割の力で優勝しろ』って言われていたけど、達成できた」と手応えも得た初優勝だった。

 目標は日本のエース錦織圭。昨年の全米オープンと1月の全豪オープンで、いずれもジュニアの本戦に出場した。同世代のライバルの中には、海外を拠点にする選手もいるだけに「国内大会は全部勝たないといけない。大人や世界とプレーするにはまだまだ力不足」と口にしながらも、「重圧の中で勝てたのは自信になる。この勝利をレベルアップにつなげたい」と前を向く。ジュニア世代トップの2年生はさらなる進化を宣言した。【豊本亘】

 ◆高橋悠介(たかはし・ゆうすけ)1997年(平9)10月17日、横浜市生まれ。4歳でテニスを始める。全中2連覇。170センチ、68キロ。血液型はA。