<柔道:グランドスラム東京2011>◇初日◇9日◇東京体育館◇男子66キロ級

 20歳の新鋭、高上(たかじょう)智史(日体大)が、シニアの国際大会2度目の出場で初優勝を果たした。決勝は世界ランク1位のモグシュコフ(ロシア)が相手。技ありでリードされながらも必死に食らいつき、残り2分11秒で男子代表の篠原監督の「逆に振って中に入れ」の叫び声を後押しに、鮮やかな背負い投げを決め逆転した。「諦めず気持ちで負けないようにした。トップになりたい」と手応えを口にした。

 日本のプライドを守った。森下、海老沼が相次いで姿を消す中、3、4回戦でも世界ランク3、11位の選手を破る快進撃。「自分の組み手ができなかった。世界のレベルが分かった」と謙虚に話したものの、存在感は際立っていた。

 わずかだがロンドン五輪代表も見えてきた。優勝ポイントを追加し、世界ランク30位前後に浮上する見込みだ。篠原監督も「まだ分からない」と話す。新星が代表争いの台風の目になる。