4大大会史上初めてイタリア勢対決となった女子シングルス決勝は、世界26位のフラビア・ペンネッタ(33)が同43位のロベルタ・ビンチ(32)を7-6、6-2で破った。1968年のオープン化(プロ解禁)以降、史上最年長の33歳6カ月で4大大会初優勝となったペンネッタは、試合後の優勝スピーチで突然の引退宣言。前代未聞の出来事に、場内は騒然とした。なお両者を合わせた年齢66歳19日も、4大大会女子決勝では最高齢だった。
ついにつかんだ4大大会初優勝。誰もが晴れがましいペンネッタを心でたたえ、優勝スピーチに聞き入っていた時だ。ペンネッタの口から、驚きの言葉が発せられた。「これが最後の全米。引退するつもり」。これには、センターコートを埋めた大観衆もたまげた。
すでに33歳だ。「年に24週も戦い続けるのは厳しい」。8月上旬のモントリオールの大会で引退を決意した。「予想した以上の結果を残せた。いい人生だった」。加えて「今大会で優勝できるなんて思わなかった」。今大会の結果がどのようなものでも、引退の決意は変わらなかった。
決勝を戦ったビンチとは、9歳から一緒にテニス人生を歩んできた。「最高の友人と戦うのはタフだった。気持ちをコントロールするのが難しかった」。それでもビンチより攻撃的なテニスで、ストレートで夢の4大大会優勝を勝ち取った。
イタリア女子にとって、歴史に残るフィナーレ。そしてペンネッタには最高の有終の美となった。「夢がかなった。最高の潮時だと思う」。今年は残り2大会に出場。遅咲きの王者が、5歳から始めたテニス人生に幕を下ろす時を迎える。【吉松忠弘】
◆フラビア・ペンネッタ 1982年2月25日、イタリア・ブリンディジ生まれ。5歳でテニスを始め、18歳でプロ転向。05年ボゴタでツアー大会初優勝。ダブルスでは11年全豪で優勝。ツアー通算シングルス11度、ダブルス9度の優勝。ダブルスでは11年2月に世界1位。172センチ、58キロ。


