「東京五輪の星」男子66キロ級の阿部一二三(18=兵庫・神港学園高)が、涙を見せた。

 準々決勝で丸山城志郎(天理大)に敗れ、敗者復活戦を勝ち上がって3位にはなったが、リオ五輪出場は絶望的に。

 「悔しいし情けなかったけれど、まだ試合があったから(泣けなかった)。3位決定戦が終わって、涙が出た」と、たまった涙を拭きながら話した。

 昨年最年少で講道館杯を制し、連覇がかかった。リオ五輪を目指して「負けられないというプレッシャーもあった」という。

 「負けられない」という気持ちから持ち前の積極的な攻めが見られずに、組み手争いに終始。相手に研究されたこともあって、自分の柔道ができなかった。

 それでも、最後は強気に「もっと練習して、組み手などバリエーションを増やしたい。リオの可能性はほとんどなくなったけれど、チャンスがあれば最後まであきらめずにやる」と話していた。