茨城県の主力として9月の国体を制した土浦日大(茨城)は、高校総体優勝の明成(宮城)に73-78で逆転負けを喫し、38年ぶり2度目の優勝はならなかった。明成は3年連続4度目の日本一に輝いた。

 土浦日大は第1Q、スモールフォワード松脇圭志(3年)が、3点シュート3本を決め、20-17とリードを奪った。第2Qは14-14で両チーム譲らず、第3Qに入る。そこで、土浦日大は松脇がまた、3点シュート3本を決め、同Qだけで13点をマーク。明成のエース八村塁(3年)の12点を上回り、57-54とリードを守った。

 しかし、第4Qに王者・明成が底力を見せる。納見悠仁主将(3年)の3点シュートで同点とすると、一気に12点を奪って逆転した。土浦日大は反撃を試みるが、明成がディフェンスをがっちり固めて得点できない。松脇とポイントゲッターの杉本天昇(2年)が圧力をかけられ、第3Qまでの動きができなかった。

 佐藤豊コーチ(68)は「第4Q2分まではいけると思った。だが、そこから6番(納見)にやられた。相手の勝とうという執念がウチの選手より上だった」と明成の勝利へのこだわりを改めて感じた。しかし、敗戦にも心は晴れやか。「両チームが最後まで高校生らしく一生懸命だった。こんな気持ちの良い試合は何十年ぶり」と戦いきって満足といった表情を見せた。

 3点シュート8本で30得点を挙げた決勝の活躍などで、ベスト5に選ばれた松脇は「今日ははいつもより気合が入った。優勝したかったが、全部出し切れ、楽しく終われて良かった」と笑顔を見せた。そして、「来年は天昇が注目されると思うが、まわりも頑張って日本一になってほしい」と後輩に夢を託していた。