新発田商(新潟)は磐城第一(福島)とフルセットにもつれ込む激闘を演じ、2-1で逆転勝ちした。第1セットこそ落としたものの、第2セットは25-20でタイに戻す。最終セットは21-24と崖っぷちに追い込まれながら、28-26で勝った。きょう6日の2回戦は高知中央と対戦する。

 コートで飛びっきりの笑顔を見せたのは新発田商の選手たちだった。驚異の粘りでつかんだ逆転劇を、ハッピーエンドで幕を引いたのは河内千歩(3年)のブロックだった。第3セット中盤で「足をつりそう」と石山佑梨菜主将(3年)に訴えていたが、最後は懸命にボールに食らいついた。「3年生にとっては最初で最後の大会。絶対、勝ちたかった」とヒロインは言った。

 「どんなトスに対しても(スパイクを)打ち切ったのが勝因」と桂山信行監督(38)は声を弾ませた。21-24と相手にマッチポイントを奪われても、勝負を捨てなかった。「とにかくボールを私に上げて」。石山主将はセッター山田美優(3年)に声をかけ、レフトからスパイクを打ち続けた。25-25と並ぶまで4連続得点。「すごく楽しかった」とキャプテンは緊張を強いられる場面を楽しんでいた。

 年末は実戦を十分積んだ。27日から4日間の神奈川遠征。神奈川県代表の川崎橘など、6校で1日6~7セットのゲームを繰り返してきた。そんな調整が本番で生きた。「最後まで諦めずにボールを追うのが約束事。2回戦も笑顔を忘れず粘りたい」と石山主将は言った。【涌井幹雄】