アルバルク(A)東京がエース田中大貴(25)の両チーム最多19得点の活躍で琉球を74-53と下し、開幕2連勝を飾った。20年東京五輪の日本代表を目指す田中は、同じ日本代表の琉球・岸本と激しいマッチアップ。勝利への執念を見せて連勝に導いた。

 16点差で迎えた第4Q、田中のプレーが勝利を決定づけた。開始早々、この日3本目の3点シュートをねじ込む。続く守備で相手のボールを奪い、味方の得点をアシスト。琉球が2点を返すと、すかさず4本目の3点シュートを決め、21点差として突き放した。

 第3Qには執拗(しつよう)なマークをするライバルの岸本を思わず突き飛ばし、反則を取られた。それでも、直後のプレーで相手のボールを奪い得点をアシスト。得点19、相手のボールを奪うスチール4個、出場時間29分37秒と両軍最多の数字を残し、チームを勝利に導いた。

 「外からのシュートは気持ちよく打てたが、もっといい判断をしないといけないプレーもあった。もっとよくなる」と田中はあくまで貪欲だ。192センチの長身ながら「日本代表でやるならガード」と、今季はボール運びやパス回しにも積極的に取り組む。そんな気持ちが、琉球を圧倒するプレーにつながった。

 前身のNBLのトヨタ自動車東京からプロに変わって、環境も変わった。取材やファンサービスなど多忙で、開幕1カ月前には40度の熱も出した。Bリーグからはリーグを代表する強くてかっこいい5人のミスターBにも選ばれた。甘いマスクの下に激しい闘争心を隠して、田中は相手をなぎ倒していく。【桝田朗】

 ◆田中大貴(たなか・だいき)1991年(平3)9月3日生まれ、長崎県出身。長崎西の2年時にウインターカップでベスト16。東海大では3年時に全日本大学選手権で優勝し、4年時に関東大学リーグ優勝。14年2月にトヨタ自動車東京に加入。12年に日本代表に初選出され、14年仁川アジア大会で3位。ポジションはシューティングガード。192センチ、93キロ。右利き。