昨秋のリーグ戦で4位に終わった近大が、引き分け抽選の結果、決勝進出を決めた。昨季の大学選手権4強の天理大を相手に、磨いた攻撃力を発揮。試合終了後はSO喜連航平主将(4年)がくじを引き、運も味方につけた。決勝は7月2日(会場未定)に行われ、京産大と同大の勝者と戦う。

 近大の進化が随所に見られた。前半は2トライ2ゴールで14点を先制するも、天理大の反撃で14-28と逆転を許してハーフタイムに入った。神本健司ディレクター(D)は今季のテーマは「ボールを止めずに動かすラグビー」という。後半は中盤からでもテンポを上げ、天理大DFをズルズルと後ろへ下げた。2トライ2ゴールで追いつき、後半27分にはゴール前左ラインアウトからモールを押し込んでトライ。最後は同点に追いつかれたものの神本Dは「勢いだけでなく、粘り強さが出てきた」と納得顔だった。

 天理大は教育実習などで主力の一部が抜け、外国人選手も出場せず。それでも互いに正規ユニホームを着用し、練習試合とは違った緊張感の中でつかんだ結果は自信になる。喜連主将は「天理をリスペクトしている。関西代表として、関東と戦っている。その中で、その天理にいい試合ができたのは良かった」と笑顔。秋のリーグ戦に向けて「『秋に優勝しよう』と言っている。そこに対して(今トーナメントの)決勝に勝つことで、得られるものがあるようにしたい」と力強く言い切った。