日本に着いたらメダルは壊れていた…。

 フェンシング世界選手権フルーレ男子個人で銅メダルを獲得した敷根崇裕(19=法大)が28日、ドイツから羽田空港に帰国した。ともに帰ってきた西藤俊哉(20=法大)は首から銀メダルを下げているが、敷根の首にはない。どうしたのか問うと、おもむろにジャージーの左ポケットからメダルを取りだした。「さっき確認したら、折れていて…」。厳重にくるまずバッグに入れていたため、ひもをかける部分が折れてしまっていた。

 敷根にとっては、世界選手権初のメダルだった。それでも「自分は昔から金メダルしか興味なかったので、世界選手権ではあっても銅メダルは大して欲しいものではなかった。飾らない。しまっておきます」と涼しい顔。壊れたメダルにもう興味はない様子だった。

 昨年4月の世界ジュニア選手権で優勝し、今年6月の国際大会でも6位に入るなど着実に力をつけてきている。ロンドン、北京五輪のメダリスト太田雄貴氏(31)の後継者として、東京五輪での個人、団体でのメダルへ一層期待がかかる。「今回は東京五輪に向けては、いいスタートなんじゃないかなと思う。今は銅メダルですけど、東京では金メダル取れるように頑張っていきます」と力強く話した。