ラグビートップリーグが18日、愛知・豊田スタジアムなどで開幕する。昨季2位で優勝を逃したヤマハ発動機は、開幕戦でトヨタ自動車と対戦する。FW陣は日本代表やスーパーラグビー日本チーム「サンウルブズ」で世界を経験して帰ってきた。その一方で、チームに残った選手も着実に力をつけてきた。またフランス1部リーグのトゥーロンから2季ぶりにFB五郎丸歩(31)が復帰した。初のリーグ制覇を目指す戦いが幕を開ける。

 開幕直前でも手を緩めることはない。新人もベテランも関係なく全選手が体を張っている。ボールを持てば1歩でもゴールに近づくために密集に飛び込む。また守る選手は歯を食いしばりながら、突進を止める。試合と変わらない激しさで練習を消化している。就任7季目の清宮克幸監督(50)は「選手たちは気合が入っている。チームの総合力は数年前とは桁違いに上がっている。開幕が楽しみ」と悲願のリーグ初制覇に胸を躍らせた。

 FW陣は国際経験を積み、成長した。プロップの伊藤平一郎(26)やフッカー日野剛志(27)など5人が日本代表に選ばれた。また彼らとともにフランカー三村勇飛丸(28)がサンウルブズでプレーした。NO8堀江恭佑主将(27)は「代表選手が離脱中に、ヤマハに残っている選手でポジションを奪うつもりでしたが、やっぱり1枚も2枚も上手でした」と話した。また日野は「若手からも声が出ていて、自分たちがいない間の練習が自信になっていると思う」とチーム底上げを実感していた。

 トヨタ自動車戦にはサンウルブズで負傷した三村に代わり、入社6年目のフランカー山路和希(27)が出場する。夏合宿でAチームに入ると、今季副主将の西内勇人(24)とのポジション争いを制し、初の開幕スタメンを勝ち取った。山路は「初めての開幕戦で遅咲きですが、低いタックルでチームに貢献したい」と決意を口にした。

 昨季はサントリーに唯一敗れ、14勝1敗でリーグ2位に終わった。今年は五郎丸が復帰し、好材料がそろった。リーグ15年目で初優勝を目指す。【大野祥一】