日本の勢いが止まらない。男子73キロ級橋本壮市(26=パーク24)が決勝でリオデジャネイロ五輪銀メダルのオルジョイ(アゼルバイジャン)を破り、初出場初優勝を飾った。同級の日本勢の優勝は10年から6大会連続。東京五輪に向けて、同学年で五輪王者の大野将平らが激戦を繰り広げる争いに遅咲きの男が加わった。日本勢は大会3日間で金5個を含むメダル8個と快進撃が続いている。

 遅咲きの苦労人が世界王者に輝いた。橋本は決勝でオルジョイの怪力に何度も体を宙に浮かせたが、踏ん張った。延長1分42秒。一瞬の隙を突いて体落としで技ありを奪った。「よっしゃあ」。ガッツポーズを繰り返し、感情を前面に出した。「何度も心が折れかけたけど、『絶対に俺が世界王者になる』と言い聞かせて闘った。東京五輪に向けてやっとスタートが切れた」としみじみと語った。