ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の開幕まで、明日20日で2年となる。8強入りを目指す日本代表は、歴史的3勝を挙げた前回大会以上の飛躍を期すべく新たな指揮官を迎え、戦術も強化方針も変えた。まだ目立った成果を上げられないまま準備期間が折り返しを迎えるが、前主将のFWリーチ・マイケル(28=東芝)は「進化できる可能性は大きい」と力を込める。

 -本番まであと2年

 リーチ このチームに何が必要かを常に考えている。どう2年間のプランを立てていくかが大事。

 -約1年、代表から離れて感じた変化は

 リーチ 最初から勝ちにいくという姿勢が違う。今はたくさんキャプテン(になれる選手)がいる。若手の引っ張り具合がすごい。

 W杯1次リーグで対戦するアイルランドとのテストマッチ2連戦を6月に行い、連敗した。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは「強豪との差は明らかだった」と完敗を認めたが、リーチの見立ては違う。キックで積極的に相手の陣形を崩す点は違っても、組織力や敏しょう性を生かす狙いには共通点があるとする。

 リーチ 打ち出す強みは変わらない。判断力も必要な今の戦い方ができれば、日本ラグビーは変わる。

 -日本代表の強みは

 リーチ 規律を守り、ハードワークすること。それはカルチャー。継続しないと。メンタルは一番強い。でも、根性だけじゃ勝てない。

 代表強化のために日本チームを編成して昨年から参戦している南半球最高峰リーグのスーパーラグビーでも、世界トップとの実戦を通して経験を積んでいる。だが、実戦を増やせば、体づくりに割く時間は減る。

 リーチ 15年W杯で勝てたのはハードワークがあったからこそ。そこがぶれてはいけない。

 -大会の目標は

 リーチ 個人的にはベスト4にいきたい。ベスト4になるための姿勢はベスト8とでは違う。先のことを考えて準備しないと。

 -W杯とは何か

 リーチ 選手として自分がどれほどのものかを測る場所。プライドを見せる場所。ちょっとした戦場。

 -自国開催となる

 リーチ ホームアドバンテージもあるし、反対にプレッシャーもある。僕はプレッシャーが大好き。

 ◆リーチ・マイケル 1988年10月7日、ニュージーランド・クライストチャーチ生まれ。札幌山の手高への留学で来日し、東海大を経て東芝。08年11月米国戦で日本代表デビューし、W杯には11年から2大会連続出場。13年に日本国籍を取得し、15年大会は主将を務めた。代表50キャップ。190センチ、110キロ。

 ◆大会概要 4年に1度の世界一決定戦。1987年に16カ国・地域が参加して第1回大会が行われ、99年大会から出場枠20に増加。19年日本大会は伝統国・地域以外で初開催となる。優勝はニュージーランド3度(87、11、15年大会)、オーストラリア、南アフリカが2度ずつ制し、北半球勢は03年大会イングランドのみ。優勝杯は競技の起源とされる人物に由来する「ウェブ・エリス・カップ」。

 ◆19年日本大会 11月に発表されることになっている試合日程の決定で骨格が固まり、具体的な作業が本格化する。37都道府県の90自治体、76件が応募している公認キャンプ候補地の選定も今秋発表予定。出場チームの視察を経て来春から順次決まる見通しだ。チケットは今冬から先行販売し、来夏ごろから一般販売する方針。大会ボランティアは1万人超の募集を目標とし、来春から募集作業を始める。

 ◆19年W杯ラグビー日本大会の開催都市 札幌市(札幌ドーム)など12都市で、札幌以外は釜石市(岩手)、熊谷市(埼玉)、調布市(東京)、横浜市、袋井市(静岡)、豊田市(愛知)、東大阪市(大阪)、神戸市、福岡市、大分市(大分)、熊本市(熊本)。